竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~

(2)竜王陛下との再会①

    ◇ ◇ ◇


 翌日、ミレイナは鳥達の知らせを受けて朝からとある場所へと向かった。

(ここ?)

 鳥達に案内された場所にあったのは二階建ての洋館で、大通りからはタイル張りの白い壁面と赤い屋根、それに、四角形の窓が等間隔に並んでいるのが見える。いかにも貴族の屋敷といった風体の建物だ。
 金属製の柵状になった門の隙間からは、見覚えのあるラングール国の衛兵の制服を着た人の姿が何人か見えた。どうやら、ここで間違いはなさそうだ。

「ごめんください」

 正面から正攻法で入ろうとすると、入口で衛兵に呼び止められた。

「お嬢さん、どんなご用事で?」
「こちらにいる方と、少しお話がしたいと思って」
「ああ、それなら悪いが、今日は駄目だ。誰も入れるなって言われている」

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