竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
なんと答えるのが正解かと思考を巡らせ、下手にうそをつくよりは本当のことを言った方がいいと判断した。
「迷子になりました」
「迷子? 飛んで帰ればいいだろう?」
「私は飛べないわ。竜人ではないもの」
「竜人ではない? なぜ人間がここにいる?」
訝しむようにジェラールの眉間に皺が寄る。
(ひぃぃ! 怒っているわ)
ミレイナは早くも逃げ出した衝動に駆られながらも、なんとか気を失わずに耐えた。
横では未だにゴーランがミレイナの顔と頭を舐めていた。もう髪の毛がぐちゃぐちゃだ。
ジェラールは不機嫌そうな表情を浮かべたまま、ゴーランに視線を移す。
「ゴーラン。探していたものは?」
ゴーランはその場にお座りすると、小首を傾げた。
その様子を見て、ジェラールは額に手を当てるとはあっとため息をついた。