竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 声を掛けるとドアが開き、現れたのは一人の男性だった。
 目に掛かる前髪を横に流し、そこからは髪と同じ黒い瞳が覗いている。少し吊り気味の瞳と太い上がり眉から、無骨そうな印象を受けた。

(この人、前に会ったことがあるわ……)

 ミレイナはその男性をまじまじと見つめる。
 確か、初めてラングールの王宮に連れてこられた日にジェラールと話していた男性──名前はラルフだったはずだ。
 その後も何度かジェラールの執務室に訪ねてきたのを見たことがある。

「こんにちは、お嬢さん。加減はどうだい?」
「お陰様で大丈夫です」

 ラルフににこりと微笑まれ、ミレイナがおずおずとそう答えた。

(なにかしら?)

 ラルフのこちらを観察するような視線に、ミレイナは居心地の悪さ感じて思わず身じろいだ。ラルフはミレイナを見下ろしたまま、すっと目を細める。

「少し話が聞きたいんだが、いいかな?」
「はい」

 ミレイナが頷くと、ラルフは部屋にあったソファーセットの椅子に座り、ミレイナにも座るように促した。

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