センチメンタル・ジャーニー ~彼を忘れるための一人旅
8

日本に戻ってからは 頭を下げて回る毎日で。


「もう。奏斗が 大騒ぎするから いけないんだよ?」

「えーっ。葉月が 黙って いなくなるからでしょ?」

「その原因 作ったのは 誰よ?」

「はいはい。この埋め合わせは 今夜 ベッドで。」

「全然 反省してない。」

「ククク。」


私を すごく心配してくれた 職場の人達。

奏斗が 後を追って 行ったことを知ると

驚きと 感嘆の言葉を 浴びせられ。


「なんか すごいよね?世界を 股に掛けた感じ?」

「うんうん。私なら 家出しても せいぜい近場の ネットカフェ程度だよ。町田さん 本当に 根性あるよね?」

「仕事帰りに それを追い駆けて 飛行機に乗る 工藤さんも 工藤さんだよね。もしかして 2人って お騒がせカップル?」


「あのー。本当に 反省してるので…その話しは もう そろそろ おしまいに しませんか?」

オドオドと 様子を窺がう私は 

また みんなに 笑われる。


帰ってすぐに 私の実家にも 挨拶に行って。

両親に 結婚の許しを もらった奏斗。


「私 今度の旅行で 貯金 全部 使っちゃったから。お金が貯まるまで 結婚できないよ。」

私が 少し 意地悪を言うと

「俺だって 少しなら 貯金 あるし。お金かけなくても 結婚できるから。」

そう言って 奏斗は 口を尖らせた。


結婚式は 少し先でも 

すぐ 一緒に住みたいと 奏斗は言い。


私達は 年が変わる前に 引越しをした。






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