風が心地よい4月下旬の夕方。

 駅に併設されている書店で、求人雑誌の立ち読みをしていたときだった。

「あれ、安井……さんだよね」

 えっ? この声……

 6年ぶりだったのに、すぐ、わかった。

「スグ先輩?」

「あー、良かった。別人だったら、超恥ずいとこだった」

 背広姿が板について、すっかり社会人らしくなってる。

 でも話しかたや仕草はもちろん、高校生のときのまま。

 月日が高速で逆戻りしたようで、軽いめまいを覚えた。