日が暮れて、風がひときわ強くなった。

 コートの襟を立てて、足早に駅へと急ぐ。

 2階の改札につながる階段。

 その壁面には、地元の店や施設のポスターが所狭しと貼られている。

 文化センターのポスターも、もう半年近くそこに貼られていた。

 他のありふれたデザインのものとは明らかに違い、ひときわ目を惹く。

 このポスターのデザイナーを、わたしは知っている。

 バイト先の『田所生花店』の一人息子で、高校の先輩だった、田所優さんの婚約者だ。