僕は君に嫌われている。
放課後にて
ひなちゃんには彼氏がいる。


それはもう、世界一可愛いひなちゃんにはお似合いだって、学校中に噂されるような人。





「ねぇ、ひなちゃん」

「…………」

「ひなちゃんは恋人のどこが好きなの?」



僕はひなちゃんの口から、恋人について話しているのを聞いたことがない。

つまり、ひなちゃんが本当に恋人を好きなのか、僕は知らない。




「…………急になに」

「いや〜。気になってさ」


日直だったひなちゃんは、日誌を書く手を止めて、うーんと考え始めた。





「しつこいくらいに話しかけてくるし、そのくせ、手すら繋いでこないし、照れるとすぐに嫌がることするし、周りに噂されるくらい目立つ人だし………」



………あ、あれ?

僕今、恋人の好きなところ聞いたんだよね?



今のところマイナスな発言しかされてない気がするんだけど……。







「だけど、今日みたいに私が遅くなる日の放課後も必ず待ってくれて、デートプランも念入りに考えちゃって、馬鹿だけどいい人で、困ってる人をほっとけない、そんな人だよ」


「大好きなんだね」


「………………うん」




そっかぁ。

ひなちゃんは恋人が、大好きなのかぁ……。




「これ、みんなに言いふらしてもいい?」

「は?」

「いや〜。すごくいい話だから、みんなに聞かせたいなって」

「良いはずないでしょ!!」


ひなちゃんは少し顔を赤らめて、僕の頭を日誌で叩いた。
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