星空ラブソング

七夕まつり

8月7日、午後4時をめがけて待ち合わせ場所の南阿佐ヶ谷駅に行った。

私が到着した時には、三原君は来ていて改札の外から手を振っていた。


「三原君、ごめんね。待たせちゃった?」

「いえ、俺もさっきついたので・・・」

そう言ったきり、視線を伏せて黙り込んだから心配になって顔を覗き込んだ。


「三原君、大丈夫?」

「あ、はい。その服似合ってますね」

「そうかな?ありがとう」

ティシャツとエスニック調のロングスカートの組み合わせ、お気に入りの組み合わせだから、褒めてもらえて嬉しかった。


その時、ふと三原君のいつかの言い回しを思い出して真似してみた。


「そう言ってもらえて、この洋服も嬉しいってきっと喜んでます」


三原君は思い出したようにクスッと笑った。


駅前からお祭りの熱気が漂っていた。


アーケード商店街の中に入ると、出店と上から吊るされて飾られている巨大な“はりぼて”たちが私たちを迎えてくれた。

< 100 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop