ずっと、そばに


陽菜のことを手術室まで運び、準備も終えて


麻酔が効くまで待っている間、

陽菜の顔をどうしても見てしまう。


いろんな感情が込み上げてくる。


私情なんて捨てないとなのに

万が一陽菜を失ったらという、不安、怖さまで。



無性に触りたい。


そんな衝動にまで駆られてしまうが、

手も洗った後だったので無理矢理押えこむ。



絶対大丈夫…。


手術終わって回復すれば触ることなんていつだってできるんだから、


自分に必死にそう言い聞かせる。



「麻酔、入りました! 」


麻酔科の医者の声が手術室に響き渡った時


俺は、もう一度ゆっくり深く深呼吸をした。



「手術を始めます 」


「「 はいっ!! 」」



俺は、陽菜の命を救うことだけを考えて、手を動かした



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