ずっと、そばに
3

退院


「陽菜ちゃん、診察するね


…………はい、いいよ 」


検査の日から3日ほどたった。
熱も出ずに、体力も回復して体も軽い。



「胸の音も良くなったから、退院したい? 」


退院か…


病院にいるのは嫌、
けど家もお母さんがいるから嫌というか怖い


どっちにしても嫌なことあるしだったら翔馬先生の負担にならないように退院したほうが良いよね…



「うんっ、退院したい! 」


できる限り明るい声で、そう返事する。


「無理しなくても大丈夫だよ 」


「無理してない。もう元気だもん 」


「そっか、そっか、じゃあ昼退院しような 」


「うん 」


髪をクシャクシャしてくれる翔馬先生。


会えなくなるなんて寂しいな…


それに家に帰ったら、またお母さんと弟に迷惑そうな顔されると思うと

涙が出そうになりグッと堪える。


入院して1週間、怖くなったり寂しくなったりしてもいつも翔馬先生がそばにいてくれたけど、

帰ったら一人ぼっちに戻る。


こんなことくらいで泣いてられないよ…


もう少し強くならないと。


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