ずっと、そばに

別れたばかりなのに翔馬先生に会いたい。


無意識のうちに、

さっき貰ったメモをポケットから取り出した。


キレイな字………。器用そうだもんね。


私は、書いてあった先生の電話番号とLineをスマホに打ち込んでいく。



翔馬先生の優しい声が聞きたい…。



一文字、一文字、打ち込んでいくたびに、そんな思いに駆られて


スマホに登録された翔馬先生の名前を見つめる。




『陽菜ちゃんが寂しくなったときお話したり、辛いときとか、相談にのったりしたい』


そう言ってくれた、翔馬先生の真剣な声がまだ耳に残っている。



翔馬先生と話せば、マイナス思考も、寂しさも

なくなるのは分かっている。



だけど、私はスマホを閉じた。


やめよう…電話するのは。


翔馬先生だって忙しいんだから、

病人やけが人を助けるのが先生の仕事。

こんな大したことない悩みの相談なんてできない。