お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
仕掛けられた危険な罠
そんな出来事から数週間が過ぎようとしていた。最近は薫さんの家にひとりでいることが多い。

なぜなら薫さんは仕事が忙しく、プライベートジェットを乗り回して海外と日本を行き来する生活が続いている。

私が薫さんと一緒に暮らし始めてから約三か月が過ぎたが、こんなにも顔を合わせないのは初めてのことになる。快適だと思う反面、広いこの空間にひとりでいるせいか、少しだけ寂しいと思うときがある。

特に食事をしているときと就寝前のルーチンと化している薫さんからの電話を切ったあとに胸に幾ばくかの寂しさが残る。

あと三日したら薫さんが日本に戻ってくる。そしたらまた薫さんの言動に振り回される騒々しい日々が始まるのだろう。約束の日まであと残り半分。

その先にあるのはどんな答えなんだろうか。ふとそんなことを考えながら、朝食の締めのヨーグルトを口に運んだ。
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