カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
ぱちぱちと目を瞬くと、総司は清良の髪を持ち上げ遊ぶように口づけした。

「嫉妬なんて可愛いものだ。いくらでも謝ってやる。それで機嫌を直してもらえるなら」

「それって……上辺だけの謝罪ってことです?」

「過去は変えられないからな。だが、今後悲しませない自信はある」

つまり、この先は清良一筋ということだろうか。

どこまで本気がわからないピロートークのようなものだけれど、言葉にしてもらえるのは素直に嬉しくて身を寄せてしまう。

「それで充分です」

「お前は聞き分けがよすぎる。もっとワガママを言ってもいいんだぞ? 嫉妬に狂ってぶうたれたって可愛がってやる」

「でも、これ以上望むことなんてありませんから」

愛していると言ってくれただけで充分だ。こうして彼の腕の中にいられるだけで、これ以上の幸せはない。

「俺の妻は慎ましすぎるな。もう少し強欲でいいのに」

総司はそんなことを漏らしながら、手本を見せるかのようにその唇を貪った。



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