知りもしない男性と身体を重ねて迎えた朝。

心を埋めていたのは、罪悪感ではなく充足感だった。

彼と寝てしまったことに後悔はない。

だからこそ、罪の意識を感じていない自分に危機感を抱く。自分はふしだらな女なのだろうか?

なぜこれほどまでガードを緩めてしまったのか――普段の清良からしてみれば、考えられないことだ。〝一夜の過ち〟なんて。

それでも、自分の心に従って素直に行動した結果だ。清々しいほどに納得している。

不思議な男性だな、と清良は隣に眠る彼を見つめる。

同じ世界に住む人とは思えない、圧倒的な存在感と魅力。

彼の言葉は魔法のようで、どんなに突飛なことを言われてもそれを正しいと思わせてしまう説得力がある。

(私、本当にこの人と結婚するの……?)

籍を貸してほしいだけだと言っていた。あとは自由にしていいと。

愛のない結婚に抵抗はあるが、いずれにせよこのまま鞠花に付き従っているようでは、恋愛も、結婚も、自由も手にすることはできないのだ。

この男の口車に乗せられて、賭けてみるのもひとつの手ではないか。

それに――。