【修正版】午前8時のシンデレラ
6、美味しくいただきました
公用車が停まったのは、女の子なら誰でも憧れるような素敵な洋館の前だった。
「さあ、着いた。降りるよ」
一条さんがシートベルトを外し、私に声をかける。
「え?私は……どこか近くの駅で降りしてもらい……!」
「この後に及んでなにを言ってるのかな」
彼は私のシートベルトも外して先に車から降りると、私を抱き上げた。
「一条さん……ちょっと」
彼に抗議しようとするも、お伽話に出てくるような洋館の外観に目を見張った。
赤いレンガにステンドグラスの窓。
ステンドグラスは花の模様でとても可愛い。
玄関を灯す明かりは、チューリップの花の形をしていて柔らかな感じを受ける。
クリスマス前だからか玄関前にはたくさんのポインセチアが置いてあって、家のドアにはブリザーブドフラワーと木の実で出来たワインレッドのシックなクリスマスリースが飾られている。
女の子の夢が詰まってるような家だった。
「素敵な家」
思わず呟く私。
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