予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
1 今のは煽ったお前が悪い 柊人side

 今のは煽ったお前が悪い 柊人side
 
 
 
 
 高い天井に美しいシャンデリア。
 高級ホテルの廊下にはお祝いの立て札がついた豪華な花のスタンドが並び、大広間はたくさんの参加者で埋め尽くされていた。
 
 取引のある企業だけではなく、タレントやモデル、マスコミ関係者も大勢詰めかけている。

「すごい人数だな。たかが就任披露に少し大げさすぎないか?」

 俺が首元のネクタイをゆるめながら秘書の吉木香澄に本音をもらすと、彼女は賢そうな整った顔を小さくしかめる。

「なにを言っているんですか。日本を代表する高級バッグブランド『HAMASAKI』の社長になられるんですから、これくらい当然です」

 吉木はそう言いながら、俺がゆるめたばかりの首元に手を伸ばす。

 細い指がシルクのネクタイに触れた。

 俺は彼女の指を見下ろす。

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