仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
湾岸の街

颯真side~

臨海副都心・湾岸エリアを我が『周防ホールディングス』が再開発し、ようやく完成した「有明パーク」
高層のオフィスビルに病院、ホテル、商業施設やショッピングモール、大型シアター、劇場、温泉施設と言った複合施設が揃い、湾岸のオアシスをコンセプトに緑豊かな森の公園に囲まれた低層の高級レジデンスを建設。
新たな街がスタートして二年の月日が流れていた。
『有明パーク』の管理は『周防エステート』に一任されていた。
『周防ホールディングス』の傘下で、主にプロパティマネジメント事業とソリューション事業を行う関連企業。

俺は副社長に就いていた。
「聞かなっただと?それはワザとだな…来人」
来人は彼女の連絡先を訊かずにオフィスに戻って来た。
「大体、彼女は地雷ですよ…何もそんな女を相手にしなくても…貴方は引く手あまたでしょ?副社長」

「そりゃ、総理の甥っ子だと言えば…女はホイホイと寄って来る…でも、生憎そんな女には興味がない」

「だからって…人様のお見合い相手を女にするのはどうかと思いますが…」

「大丈夫…総理にお願いしたから…今夜の夜には破談になっている…」

「副社長…総理だって…貴方の戯言に耳を貸すほど、暇ではないんですよ…分かっていないでしょ?」

「分かってるさ…来人。プライベートの話は終わりだ、仕事に取りかかるぞ」

「言われなくても致します」



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