王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
6章 飲み会と息抜きと後輩の気遣いと
6章 飲み会と息抜きと後輩の気遣いと




悩ましい告白から三日が経過。

私は余韻を振り払うように、仕事やコンペ案に集中していた。


「うーん⋯⋯歯ごたえが足りないですねぇ」


試食工程のデーター入力をしていると、後方で試食している美来ちゃんの甘ったるい声が聞こえてきた。

ふりかけの改善もいよいよ大詰めを迎え、ここ連日は研究室で微調整を重ねながら完成へと向かっていた。


「横山と緑川はどう思う?」

「佐久間と同じです」

「俺も緑川先輩に同感でーす」


園部の質問に、美来ちゃんと同期の緑川くんと、今年の新入社員の横山くんが答えてるのが耳に入る。


「真島は――?」

「私ももう少し食感が欲しい。粒子の振り分け設定変更した方がよさそうだね」


すでに試食を終えていた私が、パソコンの画面を見つめたまま園部に提案すると

「そうだな」と聞こえ、そしてみんなの調整に向けて動き出す物音が聞こえる。

早く終わらせて、次の入力の準備しないと。

入力を終えて私がデスクを立とうとしたところで、私のそばで内線が鳴り響き、すぐさま耳に当てた。

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