王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】

「遅くなるようなときは連絡して。社長室で待ってる」


メモには電話番号が書かれていた。

どんどん進められる話しに、ついていけないとおもいつつも、この圧倒的な美貌と、今の妙な圧力じみたものを目の前にしたら、断る度胸は私にはなかった。


「⋯⋯わかりました」


渋々返事をしたのにも関わらず、漆鷲社長は優しく表情を緩め

繊細な指先で前髪をかけ分けると、ちゅぅと額に唇を押し付ける。

ななな⋯⋯


「⋯⋯可愛い」


慌てておでこに手を当てて見上げると、とろけるような笑顔が待っていた。

急におでこに、き、きす?!

それも可愛いとか

な、なんでそんなことをするの⋯⋯

もう目が回りそうだ。

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