私はずっと自分以外のものになりたかった。


誰にも知られずに咲いて散っていく花でもいい。

誰にも気づかれずに流れていく雲でもいい。

私は私じゃないものになれたらいいと思っていた。



「俺、響じゃなきゃダメなことがいっぱいある」


自分のことが嫌いだった。

でもそんな私のことを認めてくれた人がいた。


だったら、今の私を受け入れよう。

止まっていた針を少しずつ動かそう。

そしたら、きみに伝えたいことがある。


――きみの知らない、十七歳の私で。



\2020年・12月28日・書籍化/


こちらは改稿前のデータです。
書籍の際は修正に加え、さらに加筆もしていますので、その違いもお楽しみいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!


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家でも学校でも自分の居場所はないと感じながら過ごしていた高2の響。そんなある日、スマホに見覚えのない電話番号から着信が。『響?』と二年七カ月ぶりに名前を呼んだのは、お互い想い合い、大切な時間を過ごした相手・旭だった。引っ越してしまい今は離れている旭。十四歳のころのお互いしか知らず、今のお互いの姿を知らないもどかしさがありつつも、ふたりの時計の針が再び動き出し……。お互いへの募る想いがどんどん強くなっていく。しかし、旭には命に関わる重大な秘密が隠されていた……。
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