ロマンスフルネス 溺愛される覚悟はありますか?
5








「痛っ…たた」


「駄目ですよ、無理に動いたら」


目が覚めると酷い頭痛がした。けれど、それ以上に夏雪の声とあたたかなベッドの感触にほっとした。



「う…」


「まずはゆっくり飲んで下さい」


夏雪がくれたお水をごくごく飲み干す。グラスがすっかり空になるまで飲みきると意識がはっきりしてきて、体がやたらとスースーすることに気がついた。


「服…着てない…!?え…これ夏雪が?」


布団の中を覗くと裸にネックレスとバスローブを引っかけてるだけで、髪も濡れてる。

意識のない間に夏雪がやってくれたのかと思うと、さっきとは別の意味で血の気がさあっと引いてくる。


「俺がやってたらそこまで雑な仕上がりになってません」

「な…!」


私はフラフラになりながらも「シャワー入る、自分で出来る」と言って頑固に夏雪の助けを拒み、この格好でベッドまでたどり着いて寝たらしい。夏雪が呆れながら教えてくれた。

酔っぱらいでも無意識に自宅に帰れるというけれど、あれだけ酔っていても夏雪に身体を洗われるという事態は本能的に防いだらしい。本当に良かった、ありがとう私。


「ちなみに浴室に落ちていた服や下着類は捨てておきました」


「まじで!?」


安心したのも束の間、脱ぎっぱなしだった服や下着を見られてるとは。きっと私のことだから床に丸めてほっといたに違いない。


「でも!捨てたらもったいないよ。全部ここに来たときに買ってもらったばっかりのだから、普段のと違って高そうな…」


「他の男にいいように触られた服など、もう袖を通す必要ないですよ」
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