茉莉花の花嫁
男と一緒にレストランを後にすると、
「あの…」

茉莉花は声をかけた。

「何だ?」

そう聞いてきた男に、
「先ほどは、ありがとうございました」

茉莉花は頭を下げてお礼を言った。

訳がわからないと言った様子で首を傾げた男に、
「私のメンツと言うか、プライドと言うか…とにかく、私の顔を立てるためにそう言うことをしたんですよね?」

茉莉花は言った。

「別に」

男は答えた。

「何か不穏な空気になってたし、周りの客も店員も気まずそうな様子だったから、ちょっと空気を変えようかなって」

「く、空気…?」

不穏とか気まずいとか、そんな空気にさせたことについては何とも言えない。

「あの男の顔も壊してやりたかったし」

男はククッと笑った。
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