茉莉花の花嫁
第２章・弟切草の秘密
「えっ、振られちゃったんですか！？」

「吉住さん、声が大きいです」

美紀に注意をする茉莉花だったが、終わっていたこともあり、教室には自分たちの２人だけで誰もいなかった。

「結婚して家庭を持っているところが想像できなかったからって言われて振られちゃった」

自嘲気味に言った茉莉花に、
「ひどくないですか？

女は結婚したら絶対に家庭に入るなんて、法律で決まっている訳じゃないのに。

女が働いていることなんて、別に珍しくも何ともないじゃないですか」

美紀は怒っていた。

「吉住さんは仕事を続けたいと思ってるんですか？」

そう聞いた茉莉花に、
「そりゃ、続けたいに決まってるじゃないですか。

と言うか、続けなきゃいけないんだろうなって思います」

美紀は答えた。
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