茉莉花の花嫁
美紀は優しく微笑むと、
「先生は、その人のことが好きなんですね」
と、言った。

「…失恋した後だって言うのにね。

本当に、どうかしているなって思います」

自嘲気味に笑った茉莉花に、
「でも、好きになるのに時間や年齢は関係ないと思います。

大切なのは“好き”と言う、その正直な気持ちです。

他に何もいらないと思います」

美紀は励ますように言い返した。

「ありがとう、吉住さん」

「私も何か方法がないか探してみます」

「吉住さん、自分ができる範囲内でいいですからね?

あんまり危ないことはしないでくださいね。

吉住さんも大切な生徒の1人ですから」

そう言った茉莉花に、
「はい」

美紀は返事をした。
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