「桃ちゃん、わかる?ここは病院よ」

「病院?」

どうして病院なんかにいるんだろう?

「桃ちゃんね、出先で倒れちゃってここへ運ばれたのよ。丸一日寝てたのよ」

「一日……」

どういうことかわからず戸惑っていると、ノックと共に看護師を伴った医師が入室してきた。

「気分はいかがですか?」

医師に尋ねられて、自分へ意識を向けた。痛いところはなさそうだ。
体調はバッチリとまでは言えないけれど、なんとか平気そう。

「大丈夫です」

「失礼しますね」

医師は簡単な診察をすると、笑みを浮かべて頷いた。

「問題なさそうですね。疲労が溜まっていたのでしょう。睡眠不足と軽い栄養失調もあったので、点滴をしました。幸い頭は打ってないようですし。もう一晩入院して、問題なければ退院できますよ」

「ありがとうございます」

困惑する私の代わりに華子が礼を伝えると、2人は出ていった。