我が社の人間ではない。
取引先関係だろうか。

不自然にならない程度に目で追うと、そのまま談笑スペースへ向かった。

彼女を待っていたのは……人事部の南田?その横には息子の純也がいた。

南田は母の知り合いで、信頼できる人だと母自ら引き抜いてきた人物だ。その息子も優秀な人物で、縁故ではなく、自力で入社していたはず。

その2人とあの女性が、一体なんの用で会っているのだろうか?
定時を過ぎているということは、プライベートなことなのかもしれない。

「社長、お待たせいたしました」

「ああ、はい」

片岡に呼ばれてハッとする。彼は、それまで自分が目を向けていた先に気付いたようで、「ああ」と声を発した。

「あの3人は一体……」

「すみません。定時後なので社長に報告を上げていませんでしたが、南田さんと陽子さんからご連絡いただいています」

片岡の話を聞きながら、車に乗り込んだ。