私の返事を聞くと、蓮はさっと立ち上がって移動を促した。
エレベーターに乗って目的の階に降りると、そこは私の知るホテルとは明らかに雰囲気が違った。

部屋に足を踏み入れて確信した。ここ、スイートルームだ。

「素敵……蓮さん、ありがとう」

振り返ろうとしたその瞬間、背中からふんわりと抱きしめられた。

「桃香。僕と出会ってくれて、ありがとう」

耳元で囁かれてピクリとする。そのまま首筋に唇を這わせられ、胸が痛いほどにドキドキしてくる。

「桃香、愛してる」

体を向かい合わせにされて、深く口付けられる。たまらず彼の腕を掴んで、支えてくれる蓮に体を預けた。
そのままベッド連れて行かれ、座らされた途端に次々と口付けられていく。珍しく余裕をなくした蓮に、自分の体も熱っていくのがわかる。


蓮のこと以外に何も考えられなくなった頃、気付けば下着のみにされて押し倒されていた。

いつもとは違う、欲を孕んだ蓮の瞳を見つめれば吸い込まれてしまいそうで、〝初めて〟に対する怖さとはどこか違う恐怖心に襲われる。蓮のことが好きすぎて、どうにかなってしまいそうだ。

「桃香、綺麗だよ」

彼の熱についていこうと、首に回した腕に力を込めれば、密着した肌の境界線は次第に曖昧になっていく。


「愛してる」


その言葉を耳に、心地よい気怠さに包まれながら意識を手放した。