気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
Deep Blue
私が足を踏み入れたのは、この街最大の繁華街。

この前来た「CHAOS」もこの繁華街の中にある。

この街は日本最大組織 黒瀬組のお膝元。
街の規模に対して犯罪率が思ったより低いのは、ヤクザも必要悪ということ
なのだろうか?

確かに、黒瀬組はクスリやレイプなどの犯罪に敏感で、実際それらの被害は
かなり少ない。

昨日の黒瀬蓮はそこの三男坊、長男が若頭で次男がフロント企業の社長をして
いる。
黒瀬蓮は、組には関わらず自分の好きな事をしているグレーの存在。


でも、今日の私の目的地は『CHAOS』ではない。

繁華街の外れの4階建てのビルの3階。
隠れ家的存在のBar『deep blue』

漆黒の扉を開けるとモノトーンの内装が淡いブルーの照明に照らされた店内
一歩足を踏み入れれば、そこは店名の通り深海の中にいるようだ。
奥にソファー席、手前にテーブル席、そして間を仕切るように熱帯魚の泳ぐ
大きな水槽がある。

カウンターでシェイカーを振っていた広大(コウダイ)さんが私の姿を見つけ
軽く手を上げたので、私も軽く手を上げ返すといつものようにカウンターの端
の席に腰かけた。

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