気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
告白一夜
俺は玲の手を引き車から降ろすと、助手席から出てきた恭と共にマンション
のエレベーターに向かった。

恭がカードキーをかざすとエレベーターの扉が開き、パネルには27階の
俺の部屋のボタンが点灯していた。

27階に着き部屋のドアをカードキーで開けると、恭は一礼して乗って来た
エレベーターで下に降りて行った。

ドアを開け部屋の中に入るとフロアーの照明が点灯し、柔らかい灯りが
部屋の中を照らした。

玲は今の状況に戸惑っているのだろう、その場から動けずにいる。

それに、今の姿はCAT。

CATと俺は面識は無い。

それなのに、こうして車に乗せられ俺のマンションまで連れて来られている。

「こっちだ。」

俺は少し強引に玲の腕を引っ張りリビングに入ると、玲をソファーに座ら
せると、「ちょっと待て。」と言って隣接するキッチンの冷蔵庫からビール
を二本取り出すと、ソファーに座る玲に一本を渡し、俺自身も玲の隣に座る
とプルタブを開けビールをグイっと飲むと口を開いた。

「玲、心配した。」

「エッ!何言ってるの?私はCAT。あんたの言う玲ではないわ。」

俺の言葉に玲は動揺しているのが分かる。

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