今日から不良王子と同居します。
プロローグ 嵐の夜のキス
「きゃっ」


暗闇の中の一瞬の閃光。


近くで雷が落ちたような爆音がして私は震え上がった。


無我夢中で目の前の彼の腕にすがりついていた。


「大丈夫、俺が守ってあげる」


小さな灯りだけがぼんやりと彼を照らす薄暗がりの中。


その青い瞳は優しく私を見つめる。


深い海のような、もしくは濃い青空の色、彼の端正な顔立ちに怖いくらい似合ってる。


「あ、あの、ごめんなさい。もう大丈夫です」


離れようとしたけど、彼は手を繋いできて。


「雷が怖いんだろ?我慢しなくていいよ」


「あ、でも」


グイッと手を引かれ前のめりによろけて。


抱き寄せられた私は、彼の腕の中に。


ドキドキドキドキ、激しい鼓動が鳴り止まない。


「大丈夫、こうしててあげる。そしたらもう怖くないから」


わっ、あったかいな、彼の胸。


ほんとだ、確かに雷はもう怖くない、だけどそれは他に気を取られているからで。
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