死にたがり屋の少女は暴走族と・・・Ⅰ
なんて思ったのもつかの間。


「お前馬鹿なの?」


カチン…


「誰に馬鹿ですって?!」


「お前だよ。」


何が馬鹿なのよ。私が死ねばみんな喜ぶの。


死ねればもう寝る場所も探さなくていい。


これで深い眠りに…


「死んだら終わりなんだぜ?」


そんなこと言われなくても知ってる


「それにこれからいい事もいっぱいあるだろ?」


もう私の時は止まってる。あの時から。


いいこと?いい事なんてあるわけない。


「しかも殺すなんて出来るわけねぇーだろ。そう簡単に殺してなんて言うな。」


出来るわけない?そうよね。こいつにお願いした私がダメだったんだわ。


「そうよね。ごめんなさい。あんたにお願いした私がダメだったんだ…」


私はカバンを持ち玄関に向かう。


「おい、お前どこに行くんだよ!」


「深く眠りにつける場所を探しに行くの。」


すると男の人は私の腕を捕み


「てめぇ。ふざけんな!!何が深く眠りにつける場所だ!ばっかじゃねぇーの!!」


何よ。うるさいな…


もう…私の邪魔をしないでよ。


あれ?どうして涙が出てるの?


「お前…なんで…泣いてんだ?」


「そんなこと知らないよ。知らない…なんで止まらないの?なんで?」


涙が溢れてくる。


どうして?死ねないんだよ?


そっか…死ねないから泣いてるのかな?


「お願いだから私を…殺してよォ…」


そんな泣いている私を男の人は抱きしめた。


「死ぬなんて言うな。生きれ。」



「私はっ…」
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