ハルモニア~甘い運命 After Storys~
マリッジ・メヌエット~修一side~



結婚式の衣装も仮決定して、招待客も決まって、結婚がずいぶん具体的になってきた秋の夕暮れ時。

俺と都は、連れだって繁華街を歩いていた。

「忙しいときにごめんなさい、修一さん」

都が本当に申し訳なさそうに縮こまって、こっちを見ながら言った。

俺はそんな都も可愛くて仕方ない。
思わず頭を撫でようと手を伸ばしたけど、綺麗に編み込まれている髪型を崩すわけにはいかず、軽くぽんぽんと肩を叩いた。

「全然大丈夫だよ?
むしろ、都の友達に会えるのが楽しみだ」


そう、今日は都の男友達が音頭を取って、俺たちの結婚前祝いパーティーをしてくれるということで、街に出てきているのだ。

俺の親しい友達には、都のことはフットサルの時に紹介済みで、そのメンバーの飲み会にも何度か連れていっている。



今回、初めて都の友達に紹介してもらうのだ。


嬉しさとともに、俺は正直、最近感じたことのない緊張を感じていた。


何故だろうと考えて、ひとつ。
──都の女友達と、トラブルになったりしないか、不安なのだ。

俺の容姿は女性を惹き付けることを、よくよく知っている。
他人なら仕方ないと割りきれても、友達が横恋慕してきたら、都は深く傷ついてしまう。

今日の集まりには、男女合わせて30人ほどになったとか。
友達の多い、都らしい。……けど。



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