揺れる想い〜その愛は、ホンモノですか?〜
④
GWが明け、香織の言葉通り、鈴達はいよいよ、それぞれの部署に配置され、部のメンバーの一員として、動き出した。
パソコンを使っての各種書類の作成がメインの仕事だが、電話応対も当然ビジネススタイル。ここらへんも、香織にキッチリ仕込まれた。
「プライベートの通話とは、本当に別物だからね。一本の電話で、取引がダメになることだって、あるんだから。とにかく落ち着いて、ゆっくり丁寧な応対を心掛けてね。」
相手が英語だと、私の出番と鈴は張り切るが、ビジネス英語は耳慣れない言葉も多く、結局先輩に変わってもらうことも出て来る。
「大丈夫、今は何事も勉強。引き継ぐということを覚えるのも大切なことだから。」
「はい。」
得意のはずの英語での応対が上手くいかなくて、落ち込む鈴を香織は励ます。
(学生時代のお勉強が、そのまま社会で通用するわけじゃないんだよね。)
改めてそう実感して、鈴は気を引き締める。
そうした日々を過ごす一方、GWに梨乃から喝を入れられたことを、決して忘れてはいない鈴。
でも正直、今はそちらの方に手を伸ばす余裕はないのが実感だった。
そうして、最初の1週間が過ぎ
「明日はお休みだし、ちょっと気晴らしして帰ろうか?」
という香織の言葉で、鈴達は食事をしていくことに。
「この間のイタリアン、美味しかったですよね。」
未来の言葉に
「うん、でも今日はまた違う所にね。」
と答えた香織が連れて来てくれたのは、台湾料理が楽しめる酒場だった。
「ここなら、女子だけでもお酒が楽しめますね。」
「そう。料理も美味しいから、期待していいよ。」
鈴の言葉に、香織は答える。そして、席に案内されると
「あっ鈴、みんな。」
と声が掛かる。
「ひなた。」
見ると、総務部勢が先に来ている。
(ということは・・・。)
と目を凝らせば、やはり奥の席に達也の姿が。鈴の鼓動は跳ねる。
「神野さん、いらしてたんですか?」
「うん、みんなにせがまれちゃってさ。遠藤さんも?」
「いえ、こちらはどちらかというと、私が主導しました。」
そんなことを言い合ってた先輩2人の話は、じゃせっかくだから、一緒に呑もうかという方向に落ち着いた。
(えっ、達也さんと一緒に・・・?)
思ってもみなかった流れに、鈴の緊張感は、急激に高まる。
パソコンを使っての各種書類の作成がメインの仕事だが、電話応対も当然ビジネススタイル。ここらへんも、香織にキッチリ仕込まれた。
「プライベートの通話とは、本当に別物だからね。一本の電話で、取引がダメになることだって、あるんだから。とにかく落ち着いて、ゆっくり丁寧な応対を心掛けてね。」
相手が英語だと、私の出番と鈴は張り切るが、ビジネス英語は耳慣れない言葉も多く、結局先輩に変わってもらうことも出て来る。
「大丈夫、今は何事も勉強。引き継ぐということを覚えるのも大切なことだから。」
「はい。」
得意のはずの英語での応対が上手くいかなくて、落ち込む鈴を香織は励ます。
(学生時代のお勉強が、そのまま社会で通用するわけじゃないんだよね。)
改めてそう実感して、鈴は気を引き締める。
そうした日々を過ごす一方、GWに梨乃から喝を入れられたことを、決して忘れてはいない鈴。
でも正直、今はそちらの方に手を伸ばす余裕はないのが実感だった。
そうして、最初の1週間が過ぎ
「明日はお休みだし、ちょっと気晴らしして帰ろうか?」
という香織の言葉で、鈴達は食事をしていくことに。
「この間のイタリアン、美味しかったですよね。」
未来の言葉に
「うん、でも今日はまた違う所にね。」
と答えた香織が連れて来てくれたのは、台湾料理が楽しめる酒場だった。
「ここなら、女子だけでもお酒が楽しめますね。」
「そう。料理も美味しいから、期待していいよ。」
鈴の言葉に、香織は答える。そして、席に案内されると
「あっ鈴、みんな。」
と声が掛かる。
「ひなた。」
見ると、総務部勢が先に来ている。
(ということは・・・。)
と目を凝らせば、やはり奥の席に達也の姿が。鈴の鼓動は跳ねる。
「神野さん、いらしてたんですか?」
「うん、みんなにせがまれちゃってさ。遠藤さんも?」
「いえ、こちらはどちらかというと、私が主導しました。」
そんなことを言い合ってた先輩2人の話は、じゃせっかくだから、一緒に呑もうかという方向に落ち着いた。
(えっ、達也さんと一緒に・・・?)
思ってもみなかった流れに、鈴の緊張感は、急激に高まる。