この続きは、彼の部屋で

Ⅲ 秘密の部屋


向こう側からカチリと金属音がして、ゆっくりとドアが開く。

そこには、ミルクティー色の髪をした小柄な男の子が立っていた。


「あれー、未来くんの彼女かなあ?」


彼の友人なのか、勝手に部屋に入り込んでくる。

大きな目が興味津々な様子で、シーツ越しの私の体を眺め回す。

恥ずかしさに襲われ、片手で胸元のシーツを引き上げた。


「へーえ、あいつってこういう清楚なタイプが好きなんだ?」

「……何ですか。入って来ないで下さい」


普段より低い声を出し、見知らぬ男の子を睨みつける。


「えー、そういうこと言っちゃっていいのかな? このフロア全部、俺の兄貴の家なんだけど」

「えっ……」


じゃあ、未来君が借りているのは、この人のお兄さんのマンションだということになる。


「ほんと、未来くんて。学校にいるときと全然違うよね」


その人はそう言いながら、私の足元のシーツをまるで焦らすようにめくっていく。


「詐欺だと思ったでしょ。後悔した?」


目を細め、愉しそうに肩を揺らす彼。

シーツの端は、すでに太腿までを露わにしていた。
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