独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい
一夜の過ち

 次の日、待ち合わせはホテル前に9時。目一杯寝たお陰で、元気いっぱいだ。

 昨日、八重山そばを食べながら予定を立て、予約したシュノーケリングの時間に合わせた時間。

 海斗さんと一緒に回れるのは、今日が最後。だからシュノーケリングをした後は、竹富島に渡り水牛車に乗る予定。

 初日から一転して盛りだくさんだけれど、海斗さんと少しでも多く石垣島を堪能したかった。

 シュノーケリングの場所は、ホテルからもほど近いフキサビーチ。それぞれに準備をしてビーチに出ると、先に準備を終えた海斗さんが浜辺でインストラクターの人と話している。

 その後ろ姿だけで、クラクラする。イケメンの上にスタイル抜群って、ズルイと思う。スラッとした出で立ちは手足が長く、程よくついた筋肉がウェットスーツ越しにもわかる。

「お待たせしました」

 おずおずと声をかけると、私の姿をひと目見て「似合ってる。可愛い」と目を細められる。

 海斗さんは『可愛い』が口癖かもしれない。
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