双子の異世界・奇跡の花束
次の日、早速おたずねものの張り紙が街全体に張られているのを、朝市に食料調達に行った団員が目撃した。

そして慌てて戻ってきた。


団長は大きな口で笑う。

張り紙を眺めながら楽しそうだ。


「カッコいいじゃねえか俺。とヴォルス」


「おとうさ・・」


「国を出ればいいだけの話だし、今日荷物まとめればいい。お前ら準備しな」


「はい!」


きっと平気ではないだろうが、団長は皆に颯爽と指示をだした。

二度とこの国で仕事が出来ない。

心配そうに見ていたミネルアの頭をクルーガが撫でる。


「こんなのお前がいなくなることに比べれば大したことないんじゃね?昨日助けに行った時もそんな決意で出て行ったぜ?」


「そんな・・わたしのせいで」


「違うよ。団長の意思だよ」


「・・」


「そうだ、あっちのテントでまだヴォルスが寝てるから起こして来い」


「うん・・」


クルーガに言われ、俯きながらミネルアは出て行った。


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