医師の妻としての覚悟 ~寂しさと過ちを乗り越えて…
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京一と出会ったのは 今から 4年前。


交通事故にあった私は 

京一の病院に 救急搬送された。


たいした怪我では なかったけど。

当直だった京一が 私を診察してくれた。


「腕の骨折は 整形の方で 治療しますが。念のため 脳の検査も しておきましょう。交通事故は 後から出ますからね。」

「クスッ。お化けみたい。」

「違うなぁ…後とお化けは 出ないんでしょう?」

「あっ。そうですね…フフッ。」


交通事故っていう 非日常と

救急車に乗ったことで 

ハイになっていた私。


その上 京一は 感じの良いイケメンで。

京一の笑顔に 私は 惹かれてしまった。 



そのまま 腕を固定されて 家に帰った私は

心配する友達に 京一のことを 

得意になって 話していたほどだった。


脳に 異常がなかった私に

京一との接点は もうなかったけど。


腕の骨折が 治るまで 何度か通院し

時々 病院で 京一と ばったり会った。


「あっ。村上先生。」

「んっ?兵藤さんか。腕の具合は どう?」

「はい。まあまあかな。なんか 固定してたら 細くなっちゃって。左右の太さが 違うんです。ほら?」

「うん。筋肉が落ちているからね。使うようになれば 徐々に戻るから。大丈夫だよ。」

「本当ですか?よかった…仕事 限られちゃうから。心配だったんだぁ。」

「仕事?何やってるの?兵藤さん。」

「モデルです。有名じゃないけど。」

「へぇ。そうなんだ。どうりで綺麗だと思った。」

「またぁ。先生 口もうまいなぁ…」

「口も?」

「はい。治療の腕も 口も…」

「ハハハッ。兵藤さん 面白いね。」


病院の廊下で そんな立ち話しをして。

私は どんどん京一に 惹かれていった。


京一も 私を 思っているなんて

私は 全く 予想していなかった。






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