御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
新たな門出
4月1日翔と遥の姿は、西園寺グループの社長室にあった。

建物はもちろん神宮寺製薬と同じだ。だから、神宮寺製薬の人達と顔を合わせる可能性は充分ある。

西園寺グループでは、まだふたりの事は重役しか知らない。

これから数ヶ月間、祖父である公造について各国の西園寺グループを廻るのだ。

遥は本来の姿に戻り、西園遥の地味メガネをもうする事がない。

ふたりの姿が目撃されたら、数ヶ月前の週刊誌の記事が再熱して噂されるだろう。
神宮寺製薬では、今は翔の退職の話題で持ち切りだが、いずれ真相を知る事となる。

「社長、本日からよろしくお願い致します」

「お祖父様、お手柔らかにお願いします」

いよいよ、西園寺グループの後継ぎとして、ふたりの仕事が始まる。

「まずは、わしの第一秘書を紹介するぞ」

「西園寺社長の第一秘書の東 亮二(あずま りょうじ)です。遥さんお久しぶりでございます。神宮寺さんよろしくお願い致します」

「東さんお久しぶり。これからよろしくお願い致します」

「神宮寺翔です。わからない事ばかりでご迷惑をお掛けすると思いますが、よろしくお願い致します」

「はい。あと、社長の秘書はふたりおります。また、後ほど紹介致します。社長、そろそろ」

「ああ。重役連中を会議室に集めてるから、紹介するぞ」

「「はい」」

翔の緊張は半端ない。





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