御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
副社長の挨拶だけの為、10分程で終了。

会場を後にし、自分の部屋に戻る翔。

遥は相変わらず一歩後ろを歩き、エレベーターにはまたも役員秘書。

この連携に、翔は驚くしかない。

「副社長、本日は13時から会議の為、外食する時間もありませんので12時にお弁当をご用意させていただきます。それまでは、こちらの各部署の会議資料に目を通していただき、質問が御座いましたら内線で(わたくし)までご連絡お願い致します」

「ああ」今日の翔は、完璧な遥の前に返事しか言うことがない。

「何か飲み物をご用意致しますが、何がよろしいですか?」

「じゃあ、コーヒーで」

「畏まりました」

副社長室には、副社長のデスクと応接セット、プラス秘書用の机が入口近くにある。そして、ミニキッチンが用意されている。

ミニキッチンで、サッとコーヒーを用意し副社長に出すと、遥はサッサと副社長室を出て行こうとする。

「西園さん」と翔は慌てて遥に声を掛ける。

「はい」

「この部屋で仕事はしないのですか?」翔は、無意識にここに居てほしいと思っていた。

遥は表情を変えることなく、
(わたくし)は、基本秘書室で仕事をさせていただきます。御用があればお呼び下さい」
と、出て行ってしまった。

「はぁ~」と溜息をついて、自分の発言にも遥の態度にも悩む翔だった。



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