御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
久しぶりの日本。
出張で各国に飛んでいたが、日本とはオンラインで連絡を取っていたので、何年振りだろうか。

空港を出た瞬間、9月の下旬だというのに日本は夏のような暑さ。

ドイツの方が秋らしくなってきていた。

「翔~」と叫び手を振り走ってくる男。

「ああ。久しぶりだな夕輝」

「相変わらずクールな反応だな」

「お前が煩いだけだろ」

「酷いな~折角親友が迎えに来てやったのに」

「……」

「おい」

この賑やかな男は、幼馴染みで和菓子屋の御曹司。

長谷 夕輝(はせ ゆうき) 32歳

ヒルズ内のショッピングモールにも出店している長谷屋の12代目。全国のデパートにも出店している有名店。

そして、アイドル顔負けの可愛い容姿で、常に目立つ存在だ。

翔とは、幼稚舎から大学まで一緒の悪友。

翔がドイツに行くまでは、頻繁に飲みに行っていた位だ。

何やかんや言いながら、翔に取っても気を許せる唯一の存在だ。



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