離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「副社長」

世良さんは社長室に書類を持っていくのを見計らい、私は副社長に詰め寄った。

「何だい?遊佐」

彼は飄々として表情で私に熱い視線を向けた。
明らかに副社長の私を見る目が変わり、一瞬鼓動がドキンと大きく跳ねた。

「やっぱり…離婚前提の結婚は良くないと思います…」

「…じゃあの夜の蛮行はどうやって償ってくれるの?遊佐」

「それは…」

私は返事に詰まった。
「・・・もう社長にも話したし…君の知らない所で話は進行してる…」

「そんなぁー…」

私は泣きそうになった。

「正式に『花菱銀行』の頭取令嬢との見合いも断った…もう…この話を白紙には戻せないよ。遊佐」

「・・・副社長・・・強引過ぎます・・・」

「…そうだね…」

副社長は自嘲的に呟き、少し切なげな表情を浮かべた。

「そんな顔されたら…何も言えないじゃないですか…」

「じゃ何も言わないで…遊佐」

「副社長…」

何も言わなきゃ、このまま副社長に篭洛されちゃう気がする…


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