黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
5 甘く危険な潜入捜査

5 甘く危険な潜入捜査



          
  

 その週の土曜。
 
 
 私と伊尾さんは予定通り、潜入捜査をするため会員制のクラブへ向かう。
 
 
 高級ラウンジやバーが入っているビルの前で車から降りた。

 建物と建物の間の細い路地に注意深く目を凝らすと、暗闇の中に背の高い人影が見えた。私たちに気付き、軽く手を上げる。
 
 目立たないように張り込みをしているのは、東海林さんだ。
 
 仲間の取締官たちが店の外や向かいのビルから薬の売人が店に入るのを待ち、店内に潜入している私たちに連絡するという段取りだ。

 伊尾さんと私は、協力者と一緒に店に向かう。

 入り口で一度スタッフに呼び止められたけれど、このクラブの常連の協力者のおかげで、問題なく店内に入ることができた。

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