誰にも教えてアゲナイ!
「じゃあさ、今度来る?」
頭がフワフワする……。

足元もフラフラする……。

冬なのに寒さも感じずに身体が非常に熱い。

コートなんかいらないやーっ!

「…りっちゃぁん、まだ飲みたりなぁいっ」

私は着ていたコートを脱いで手の内から投げ出そうとして、りっちゃんに止められた。

「駄目だってば!もう、寝なさいーっ!鍵は?鍵はどこ?」

珍しく、りっちゃんが怒ってるの?

ふふっ、りっちゃん、可愛い〜♪



「ぎゃぁっ!百合、ヤダッて…」



アパートの階段を登りながら、りっちゃんの頬っぺたにチューしたら怒られた。

いいじゃん、減るもんじゃないんだしっ。

私だって、りっちゃんが可愛くてしょうがないもん。



なのに、切れ長眼鏡男がっ!



「いてっ!何で蹴るんだ?」



階段を登りながら、蹴ってやった。

落ちてしまえーっ!



「あ、百合ぃ、王子が来てる…」

「…ん?」
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