私、桑野乃々花《Kuwano Nonoka》は、
4歳で発症したライソゾーム病の一種、
ファブリー病により学校に行った事がない。

ましてや、外に出た記憶がない。


毎日、
看護師さん、主治医さん、薬剤師さん、
家族にしか会わない、何1つ変わらない。


私は、広い4人部屋に1人。

いつも、本や携帯を使って、時間潰し。

飲む薬だって不味いし、


治る見込みもなくて、



ただただ絶望するだけ。


そんな毎日を送る中で、
突如現れた眩しい光みたいな男の子。


神山 洸夜《Kamiyama Koya》



1つ上の彼は、
サッカーの試合で骨折したらしく、
1か月だけの入院だった。


いつも1人だった私は、
彼と同じ病室で過ごすうちに
だんだん心が穏やかになっていくような
気がしていた。



でも、病気は進行性で、
どんどん私の心と体を蝕んでいく。


体が弱くもある私にとって、
唯一の治療である手術は、
生死の境目だった。



ずっと逃げてきた、手術。


成功率が低いのなら、仕方がない。

そう、勝手に決めていた私に、
勇気をくれたのは、やっぱり君だった。


退院しても、会いにきてくれる。

初めてできた友達。




だったはずなのに…



君は、みんなの人気者で、期待されてて、


私なんか、ダメだったんだ。


君の隣にいたら。



この気持ちに気づいた時、

君に友達になってもらえた時、

君に出会えた時、



全てにおいて、もう遅かった。






でも、君が私にくれた勇気で、




私は頑張るよ。




たとえ、30%の可能性でも。





君がいなければ、




私は、




いろんな事を知れなかった。




本当にありがとう。



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《登場人物》

桑野乃々花:15歳、ファブリー病


神山洸夜:17歳、サッカー好きの元気っ子


松原寧々:17歳、サッカー部マネ


深谷悠人:乃々花の主治医


斎藤由奈:乃々花の担当看護師


岩崎玲二:乃々花の担当薬剤師


桑野翔:19歳、乃々花の兄


桑野リズ:乃々花の母、イギリス人


桑野亮:乃々花の父


神山夕菜:19歳、洸夜の姉


神山陽菜:6歳、洸夜の妹


神山葉月:洸夜の母


神山日向:洸夜の父

あらすじ

4歳で発症したファブリー病で、ずっと病室に篭りっきりだった乃々花。ただ、死を待つ乃々花の病室に、急に入ってきた洸夜。とても明るく前向きな洸夜を鬱陶しく思って、寄せつけない乃々花に、普通に話しかけていく洸夜。そんな洸夜に乃々花も、心を開いていく。でも、病魔は待ってくれない。自分に未来がある事を信じて、拒んでいた手術を受けることを決意した乃々花。

これからの未来を信じようとした乃々花の運命は………?

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