―――ファッション―――
―――それから―――
マリアと康は家に帰ると、2人は自分達の部屋で寛いでいた。夕食まで、眠っていようと思った。今、布団に転がっており、ウトウトしていた。スマホを見やると、只今、夕方の五時半であり、後、三十分で夕食が出来る、筈である。凛は先程の事が頭から離れず、布団に被りながら、『―――ごめんね・・・』と、ずっと謝っていた。直哉がずっと好きだったけれど、正樹の事も大事に思っていた。正樹の気持ちを考えていなかった。そう思った途端、凛は正樹の涙をみて、心が揺らぎそうになった。直哉は一緒に居てくれるが、彼は大学生であり、自分とは住む世界が違う。
そう思ってしまった。中村正樹は今、愛情表現の仕方を間違えており、凛も拒絶してしまった。直哉はそれでいい、そういうと、凛はふ、と涙が留まった。それから、彼女は、凛は残りの三十分、スタイリストの練習をしようと、思っており、凛は友達から借りて来た服を鑑定しながら、スタイリストの仕方を、覚える事になった。教科書に描かれた服をも見ており、そこには、黒いパンツとチェック柄の茶色い上着が乗せられていた。今日は、バイトは非番であり、彼女は必至に勉強している。その時、グーっと、お腹が鳴り響き、『―――あぁぁぁ・・・お腹減ったぁぁぁぁ―――』と、思い切り叫んだ。普通なら、お菓子でも食べているが、最近、太りすぎている気がしてならない。その言葉に、凛はグーっと、また張らぬ虫がやまない。その時、クスクス、と洋子の笑い声が聞こえた。
『―――直哉君は・・・もう、食べはじめているけれど、貴方・・・食べないの?もう夕飯よ。その時計、壊れているの・・・後で、直すから―――。』
『え・・・えぇぇぇぇ?壊れている?早く言ってよ―――』
『ごめんごめん・・・食事に来なさい・・・あんただけよ・・・』
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