最後の一夜が授けた奇跡
第4章 ~あなたなら大丈夫~
「痛っ・・・」
私は律樹に手伝ってもらいながら部屋の片づけをしていた。

明日には業者が来る。
それまでに片付けないとならない。

律樹はこういう時社長気質を発揮し始めて、あれこれと私に指示を出しながら手際よく片付けしていく。

私の部屋のどこに何があるのか、律樹は私以上に熟知している。

律樹と別れてから何一つ部屋の配置は変えていない私。

律樹はあれこれ必要なものを出して片づけをしてくれている。

「切ったのか?」
私が出してしまった声に律樹がすぐに手を止めて私の方へ来る。
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