HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
四年振りの再会
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私は仕事やプライベートのスケジュールを確認し、楠支配人に都合の良い日を伝えた。
それから一週間後…
ついに充斗と再会する時が来た。

まずは先に一発殴らないと私の怒りが収まらない。
パーで平手打ちするか、グーで思いっ切り殴るか…直前まで悩んだ。

充斗が再会に指定した場所は芝公園にある「フロンティアホテル東京』
東京タワーが一望できる緑豊かな公園の中にある彼自身のホテルのフレンチレストランの個室だった。

「此処だ…」

楠支配人が私を個室まで案内してくれた。

でも、室内には誰も居なかった。
「宇佐美社長は仕事で少し遅れるそうだ…」

「そうですか…」

「まぁ、俺は先に帰るが…くれぐれも粗相はしないでくれよ…」

「え、あ…」

私の行動を読んでいるかのような楠支配人の言葉に戸惑いを感じる。

「いつになく…水瀬の顔が怖いから…宇佐美社長とは過去に何かあったんだろ??女性関係では特に色々とトラブルの多い人だったから…」

「・・・楠支配人…」

「じゃ…俺がこれで…」

楠支配人は私の肩を軽く叩き、椅子に座るよう促すと、部屋を出て行った。
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