HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
秘書の懺悔
食後、彼は秘書の柏原さんに私の送迎を任せ、仕事をすると言って、ホテルに残った。
彼がいつも乗っている黒塗りのベンツの後部座席に腰を下ろし、口を噤んで、車窓をぼんやりと眺めていた。

「私は貴方がシングルマザーで娘を産んだコト把握済みです」

「柏原さん?じゃ充斗も…」

「社長は知りませんよ…見合いの件もありますし…真実は知らない方がいいかと考え、あえて、社長には話しませんでした」

「柏原さん…」

「貴方だって…社長に一億の慰謝料貰うつもりなんでしょ?」

「それは…充斗が…」

「一億あれば…暫く大丈夫でしょ?」

「え、あ…」

柏原さんは私と充斗が出逢った当時から秘書を務めていた。
ハワイで二人だけの挙式を計画。
柏原さんも私達の味方だった。

――――でも、充斗は私を捨てた。

「どうして充斗はハワイに来なかったんですか?」

「俺が土壇場でお二人を裏切り、会長の命で…社長を階段から突き落としたんです」

「柏原…さん!?」


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