偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
第4章 就職活動は上手くいかない
朝は、御津川氏がシャワーを浴びている間に朝食を作る。

「いただきます」

もう、向かいあって一緒に朝食を食べるのは完全に日課になっていた。

「今日は午後から予定もないし、外で待ち合わせして食事でもするか。
明日もオフだし、どこか泊まって帰ってもいい」

朝食を食べなからのスケジュール確認もいつものこと。

「そうですね。
私は午後から外出予定ですが、夕方には終わるので大丈夫です」

「ああ、そうか。
今日は茶道教室か。
なら、着物着てこいよ。
李亜の着物姿、俺は好きなんだ」

「……え?」

思わずそこで、手が止まる。
御津川氏の前で私は着物を着たことがない。
結婚式は全部洋装だった。
なのに、どうして?
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