君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜
「まさか…?電車の彼女!!?」

…えっ?やっぱり、彼?

思わず彼に抱きつきそうになるくらい
興奮して嬉しくなった。

満遍な笑みで

「覚えていてくれたんですね!」

まるで、宝物が見つかっときのような
嬉しさを
全身で喜びを感じ、じっとできないでいた。

彼は、また、更に垂れ目になり
だけど、気のせいか、
少し寂しげな眼を一瞬したように見えた。


「…ごめん。それ、僕じゃないんだ」

「…えっ?」

言っている意味が良くわからない。

彼は、少し間をあけてから

「…う〜ん。。
僕は、尋斗の双子の兄なんだよ」

「…双子?」

…ふっ双子!?そりゃ、似てる!

私は、息をするのを忘れて
目を丸く見開いて彼を見た。

彼の家族と出会えた事に
一歩近づいたように思えて 、3ヶ月の辛さなんて一気に吹き飛んで
笑顔が止まらなく嬉しくてたまらなくなっていた。

「…そう。尋斗は、双子の弟」

彼は私の顔を見たまま、優しく話し続けた。

「あいつ、昨年、春から俺のタイプの可愛らしい子が、同じ車両に乗ってきたって」

…それ?私ってこと?

「彼女は気がついてないって話してたんだけど、
事故する数日前くらいから、彼女と話せたって、かなり、あいつ嬉しそうでさ。
 毎日ニヤけて気持ち悪りぃ〜なんて話してた。」

私は思わず、目を輝かせた。

…?うん?…あれ?
何か、今、言葉を私、スルーしちゃった?


…あれ?なんな、引っかかる。

しばらく、お兄さんが話す言葉をもう一度
頭の中で繰り返してみた。

…事故?…そんな、言葉が…確かに
聞こえたようにおもうんだけど?

「…あの…」

「うん?何?」

「あの、もう一度さっき話した言葉をはなしてもらえませんか?」

「…さっき話した?言葉?」

「はい。
嬉しそうに話てた。。
の前あたりくらいに。
何か?いいませんでしたか?…じ…こ…?」

私は、聞き間違えだろう。って願いながら
確認した。

彼はすぐさま、

「…あっ」  とゆうやいなや、

また、眉と眉の間にシワをつくり 険しい顔をして、下を向いた。

その表情から、聞き間違いではないのだと
確信した。

「うん。尋斗は学校へ行く途中、寒い日だったから、車がスリップして
ぶつかって今は病院にいる」

「病院?」

病院で治療中なんだ。  

肩を下ろした。

「彼は…。ひ、尋斗さんは、じゃ、元気なんですね?」

もうすぐ会える?

私の好きって気持ちを
尋斗さんに、早く伝えたい。

そんな気持ちの方が先に走っていた。

事故をしたのに…。

尋斗さんのお兄さんは黙ったまま
静かに私を見ていた。

「尋斗さんに会えるのかな?」

「…う…ん。そうだよな…」

彼は口ごもりながら話した。

「尋斗は…
この近くの総合病院に。
こんな近くのコンビニに、君がバイトしているなんて。
会いって気持ちが、引き寄せたのかも知れないね」

優しく、少し震えたような声で
窓の外に目をやりながら、彼は話していた。

彼が目をやった方に私も目を向けてみた。
そこには、病院が少し頭を覗かせていた。

「…あっ?見える!あの、総合病院!?」

私は、指をさした。
今まで、気が付かなかったな。

「うん」
お兄さんはうなずいた。


お兄さんがゆうとおり、尋斗さんの想いと私の想いが引き寄せて、こんな
形だけど、合わせてくれたんだ。

そうとしか、考えられない。

尋斗さんは、大丈夫なの?
尋斗さんと会える?

複雑な気持ちが入り乱れていた。

「あのさ。ゆっくり話せないかな?」

私は、うん、うん、

と、うなずいた。

「バイト今日何時に終わるの?」

「あっ…。私、18時には終わります!」

「バイト終わってから、時間大丈夫?」

「だっ大丈夫です!大丈夫!」

私は、バイトを放り投げてでも
今からでも話を聞きたいくらい。

「じゃぁ、その時間くらいに
あそこの、喫茶店で待ち合わせいい?」

「はい!」

何度も大きくうなずいた。

「そうそう、僕は剛《ごう》。今井剛」

今井剛さん…。今井尋斗。。今井ってゆうんだ。

どんどん彼の事を知れる。
私は、幸せな気持ちになっていた。

「私は、鈴木リン。です」

「リンちゃん。だね」

胸がキュンとなってしまう。

尋斗さんと似たその顔で
リンちゃん何て呼ばれたら…

まるで、尋斗さんが言ってくれたかのように、錯覚をしてしまう。

剛さんは。ニコッと笑いながら

「僕の事は、剛くん。でいいよ」

そうゆうと、手にしていた本を直して

「出逢えてよかった。じゃぁ、また後で」

ニコッと笑うと、彼は背を向け
コンビニを出て行った。

私も入り口まで行き剛さんをみ送った。

双子…。背中まで似てるように思う。
彼に、、尋斗さんに会える!

今日は、曇りだからか吹いてきた風が少し冷たい。

身体をプルプルッと振るわせた。

懐かしい風を思い出しながら私は、空を見上げた。
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